医療・介護

市場環境とM&Aの動向

65歳以上の人口が日本国民全体の4人に1人の3,000万人を占めており、医療・介護の需要は今後も伸び続けることは周知の事実となっています。そのような中で高齢者が自立し、かつ自宅で暮らし続けることができるようにするため「地域包括ケア」が推進されています。そのため医療と介護を連携・連動させた新しい事業の形が進んでいます。それに伴った医療保険・介護保険の制度変更も進んでおり、事業としての収益性に大きな影響が出てきています。そのような医療業界・介護業界の環境の変化がM&A市場にも大きな影響を与えています。
3年程前までは通所型・施設型の介護施設のM&Aが盛んに行われており、人材確保という観点からも相当な高値での売却が行われていましたが、現在では大幅に縮小しています。
その中でM&A市場においてニーズが高くなっているキーワードは「地域包括ケア」「在宅・訪問」です。この2つに関しては非常にニーズが高く、売り手と買い手がマッチングしやすくなっています。
また、前述のように医療と介護の境目がなくなりつつある環境において、「医療法人・クリニックによる介護施設の買収」「介護事業会社による医療法人・クリニックの買収」「クリニックによる病院(病床付)の買収」といったM&Aのニーズが高くなっています。
病院(病床付)に関しては、「後継者不在」と「負債の大きさ」の2点を理由に売却を検討される病院(病床付)が増えてきていますが、負債の大きさや法人と個人の資産の混在、譲渡スキームの問題、人材不足などがあり、思うようにM&Aが進まないという現実もあります。

M&Aのメリット(買い手

・医療・介護市場における成長マーケットの取り込み
・地域包括医療への取り組み等の業容の拡大
・人材の確保

M&Aのメリット(売り手

・後継者不在における事業の承継(従業員の雇用の確保、患者の引き継ぎ)
・個人保証債務からの解放
・経営責任からの解放(自らが勤務医になる等)

  • 宇都宮勉

    宇都宮勉(うつのみやつとむ)

    株式会社船井総合研究所
    副部長

担当コンサルタントへの
お問い合わせはこちら