写真館のM&A事例から学ぶ 分割型分割を用いたM&A(2)

前回のメルマガでは、分割型分割の活用についてまとめたものをお伝えいたしました。
今回は写真館M&Aの事例を通じて、買い手として譲受企業を、
売り手として譲渡企業を検討する際のポイントについてお伝えしていきたいと思います。
 
日本でのM&A件数が年々増加していますが、
全てのM&Aの目的は大きく下記3つに集約できると考えております。
 
  

 
 
1.シェアの拡大
自社のコア事業(既存事業)と近しい事業を譲受することで
その業界でのシェアを拡大する目的です。
ポイントは買収サイドに独自のノウハウがあるのかどうかという点と、
そのノウハウを譲渡企業に適応し、
更に伸ばすことのできる余地があるのかどうかという点です。
 
2.垂直統合(水平統合)
既存事業のサプライチェーンにある企業を譲受することで、
今外に出している業務を内製化し、結果的にコストダウンを実現する目的、
もしくは周辺産業を譲受して、明確に自社の強みを生かして
譲渡企業を伸ばす込みがある際に実施します。
 
3.新規事業
自社の既存事業とは全く別の事業を買収し、会社と収益の第2の柱とする目的です。
多くのM&Aの事例を見ていると、ここの目的で実施したM&Aは、
今まで自社になかったものをどう扱って、どう伸ばしていくべきなのかがわからず、
残念ながら振るわない結果になることが少なくないように感じています。
 
今回の写真館M&Aの事例では、1と2を合わせたような目的でM&Aを行いました。
譲受企業は子どもに関連するEC事業を展開しており、
写真館企業が展開する事業と顧客特性(年齢、性別、所得水準など)に
共通する部分が多々あり、既存事業のシェア拡大が大いに見込めるとともに、
ECだけではなく実店舗を持って事業活動を行い、
譲受企業の商品やサービスを写真館に来るお客様にも
告知・販売できる見込みが大いにありました。
 
とはいえ、譲渡企業オーナーの引継ぎサポートはこの事例だけではなく、
どの業種・業界のM&Aでも重要になってきます。
この事例では、分割型分割スキームを用いて新設分割した会社と譲受企業の間で
継続的にやり取りをし、サポートする約束をしました。
 
M&Aというのはあくまでも手段のひとつです。
なんのためにM&Aをするのか、M&Aをして本当に成し遂げたいことは何か。
もしM&Aをご検討いただいている経営者の参考になりましたら幸いでございます。
 
 

株式会社船井総合研究所

金融M&A支援部

M&A・事業承継グループ

秀野 允哉(しゅうの まさや)

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