「TOKYO PRO Market」をご存知でしょうか?上場34社の規模感を紹介

東証マザーズ・ジャスダック、地方証券取引所以外へ上場する選択肢

 
前回は、「2019年IPO市場総括 赤字での上場が多かった理由は?」と題しコラムをお送りしました。今回は、IPOを目指す場合どの市場を目標とすべきか?という観点で選択肢のひとつとして、TOKYO PRO Marketという市場ついて解説いたします。
 
■TOKYO PRO Marketをご存知でしょうか。
 
IPOを目指す場合、どの市場を目標にすべきでしょうか。一般的に、目指されやすい東証マザーズやジャスダック(以下、「JQ」と表記。)の場合、最短でも3年、5年以上の準備期間をかけて、自社の業績を上げながら粛々と準備を進めていく必要があります。会社の規模感としても、例えば売上10~20億円、営業利益で1~2億円を確保できる見込みで、高い成長性がある場合は業績の点からはマザーズが射程圏内と言えます。(売上10億円、営業利益3,000万円の理由については、コラム『上場するのに営業利益は関係ない?!営業利益1億円以下で上場する企業の特徴とは?』をご覧ください。
 
他方で売上10億円未満、営業利益3,000万円未満の企業様の場合、IPOを目指したいと考えていても、
 
・すぐにはマザーズやJQには上場できない
・具体的なマイルストーンがすぐに思い浮かばない
・数年以内に実現可能で、わかりやすい、とにかく社員一丸となれる共通目標が欲しい
 
等々….考えてしまう場合もあると存じます。
 
そうした場合、TOKYO PRO Marketという市場という選択肢もあります。
 
TOKYO PRO Marketは、業績等の形式基準がない点をはじめとして、他の市場で必ず必要とされている、監査法人による2期間の監査証明が求められていません。。今回は、TOKYO PRO Marketの魅力とその実態に焦点を当てて参ります。
 
■TOKYO PRO Marketとは?
 
TOKYO PRO Marketとは、東京証券取引所が管理するプロ投資家(機関投資家等)向けの株式市場で2012年に開かれました。個人投資家には公開されていませんが、2019年12月時点で34社が上場*しています。
 
*詳細は東京証券取引所ホームページをご覧ください。 
https://www.jpx.co.jp/equities/products/tpm/issues/index.html
 
以下に上場時の特徴をあげましょう。
 
・証券取引所による審査はなく、J-Adviserによる上場適格性の判断が必要。
 ⇒J-Adviserとは東京証券取引所から認証を受けた機関で、上場審査の実施や、上場後の情報開示やファイナンスの手続き等サポートする組織です。
 
・形式要件(上場時の数値基準)がない。
⇒株主数、流通株式総額、利益額といった形式要件が設定されていません。
 
・監査証明は1期分でOK。
⇒スケジュールや準備費用が、他の市場への上場と比較して低く済みます。
 
他市場とは要件・準備が異なるものの、TOKYO PRO Marketも東京証券取引所の市場です。
 
当該市場に上場することで、下記のような信頼を得られます。
 
・経営管理体制の強化を積極的に進めている企業。
・コンプライアンス・法令順守を徹底している企業。
・成長に意欲的(成長展望を描いている)な企業。
⇒取引先の拡大・メディアへの露出・優秀な人材の確保等に繋がると考えられます。
 
■どのくらいの規模感でTOKYO PRO Marketに上場したのか?
 
ご参考までに、以下にTOKYO PRO Market上場34社が、上場時にどれ程規模だったのか?を記載します。
 
・売上高

 

 
⇒売上高の中央値は11億円ですが、10億円未満の年商規模での上場が最多です。
 
・経常利益

 

 
⇒経常利益の中央値は85百万円ですが、経常損失(赤字)での上場もみられます。半数が40百万円未満で上場しています。
 
Data Source 各社特定証券情報(発行者情報)をもとに弊社集計
https://www.jpx.co.jp/equities/products/tpm/issues/index.html
 
■TOKYO PRO Marketへの上場を検討する場合における最初の一歩とは?
 
IPOを目指すうえで最初に起こすべきアクションの一つに、関係機関とのネットワークづくりがあげられます。TOKYO PRO Marketの場合、1期分の監査法人による監査証明とJ-Adviserによる監督、審査が求められるため、監査法人やJ-Adviserとのネットワーキングが必要です。
 
直接アポイントを取るという方法もありますが、数ある監査法人やJ-Adviserの中から、自社に会ったパートナーを探すためには、時間・労力がかかります。一度弊社のようなIPOコンサルティング機関にご相談いただいた上で、候補を紹介してもらう方が、短期間かつ着実と言えるでしょう。
 
次回は、『IPO市場における主幹事証券や監査法人の状況』と題して、コラムをお送りします。
 
 
執筆者:株式会社船井総合研究所 
チーフ経営コンサルタント 宮井 秀卓
 
 


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