上場(IPO)直前に上場中止となった(承認を取り下げた)ケースからみる、上場(IPO)準備での留意点(2/3)

前回「上場(IPO)直前に上場承認を取り下げたケースからみる、
上場(IPO)準備での留意点(1/3)」では、
上場直前でのスケジュールを紹介しましが、今回は証券取引所の「上場承認」が下りたものの、
その後取消となり、上場を中止した事例を紹介します。
 
■上場承認取り下げの事例
「上場承認」まで進んだ状態で上場を中止する場合は、
取引所から上場承認取り消しの発表があります。
 
2016年に2社、2017年も2社ありましたが、
2018年は、9月時点で既に4社の上場承認の取り消しが発生しています。
 
2018年に発生している4社について、上場承認日から取消日までのスケジュールや、
上場を予定していた会社によるコメントや、取引所による発表の内容が以下になります。
 
 
▼世紀株式会社(6234)
射出成型の合理化機器を製造販売
・上場承認日:2018年1月5日
・上場承認取消日:2018年1月22日(東証が上場承認を取り消すと発表)
・上場予定日:2018年2月8日
・上場市場:東証マザーズ予定
 
・同社による発表:
 https://www.seiki-hot.com/japanese/news/ketsugi20180122-1.pdf
 「社内規程に照らして確認すべき事項が発生し、
  平成 30 年1月 22 日開催の当社取締役会において
  当該確認に時間を要するものと判断したことから」という理由とのことです。
  同社は「内部規定の内容を見直し「改めて上場承認を求めたい」」意向にあります。
 
・東証による発表:
 https://www.jpx.co.jp/news/1021/20180122-11.html
 「同社から新規上場を取り止める旨の申出がありましたので、
  当該承認を取り消すことといたしました。」とのことです。
 
 
▼株式会社インバウンドテック(7031)
24時間365日・多言語対応のコンタクトセンター運営事業とセールスアウトソーシング事業
・上場承認日:2018年5月25日
・上場承認取消日:2018年6月22日(東証が上場承認を取り消すと発表)
・上場予定日:2018年6月27日
・上場市場:東証マザーズ予定
 
・同社による発表:
 https://www.inboundtech.co.jp/wp-content/uploads/2018/06/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B920180622.pdf
 
 同社によると
 「確認すべき事項が生じ上場予定日の6月27日までに解消するのが難しいと判断した」
 とのことです。
 
・東証による発表:
 https://www.jpx.co.jp/news/1021/20180622-14.html
 「同社から新規上場を取り止める旨の申出がありましたので、
 当該承認を取り消すことといたしました。」
 とのことです。
 
 
▼株式会社パデコ(7032)
発展途上国のハード・ソフトのインフラの企画、設計、施行管理から
運用支援に至るまでを手掛ける国際開発コンサルタント企業
・上場承認日:2018年5月25日
・上場承認取消日:2018年6月8日(東証が上場承認を取り消すと発表)
・上場予定日:2018年6月28日
・上場市場:東証JASDAQスタンダード予定
 
・同社による発表:
 https://www.padeco.co.jp/Portals/0/pdf/20180608/20180608_news_stock_related_jp.pdf
 「内部管理体制に関連して確認すべき事項を発見して、
  確認に時間を要すると判断したことから、POが中止となりました。
  延期後の再開時期については、当該確認の結果を踏まえて状況を見極めた上で
  総合的に判断する予定」
 とのことです。
 
・東証による発表:
 https://www.jpx.co.jp/news/1021/20180608-11.html
 「同社から新規上場を取り止める旨の申出がありましたので、
  当該承認を取り消すことといたしました。」
 とのことです。
 
 
▼株式会社テノ.ホールディングス(7037)
直営保育所・受託保育所の運営、幼稚園や保育所に対する保育士派遣、
ベビーシッターサービス・ハウスサービスの提供、tenoSCHOOL(テノスクール)の運営
・上場承認日:2018年8月17日
・上場承認取消発表日:2018年9月18日(東証が上場承認を取り消すと発表)
・上場予定日:2018年9月20日
・上場市場:東証マザーズ、福岡証券取引所Qボード上場予定
 
・同社による発表:
 https://www.teno.co.jp/ja/news/news-public-notice/news-public-notice2430889787574508866/main/0/link/20180918.pdf
「新たに確認すべき事項が生じ、新規上場の承認が取り消されたため、
 募集株式発行並びに株式売出しを中止することを」とのことです。
 
・東証による発表:
 https://www.jpx.co.jp/news/1021/20180918-15.html
 「コーポレートガバナンスや内部管理体制の有効性について新たに確認すべき事項が生じた」
 とのことです。
 
4社のコメントからも違いがあり、
3社は自ら取引上に取り止めの申し出を行っており、
1社は東証により取り消し、違いがあります。
 
また、「内部管理体制に関連して確認すべき事項が発生し」
「社内規程に照らして確認すべき事項が発生し」
など具体的な理由については開示されません。
では、上場準備中の会社はこの事例をみて、どう対応すべきでしょう。
 
次回「上場(IPO)直前に上場中止となった(承認を取り下げた)ケースからみる、
上場(IPO)準備での留意点(3/3)」では、
上場(IPO)直前に上場中止となったケースでのその後の対応などについて紹介します。
 

株式会社船井総合研究所

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M&Aコンサルティング事業室

宮井 秀卓(みやい ひでたか)

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