~デューデリジェンスから未来へ向けて~「再生ステップについて⑤」Vol.189

今回も、引き続き、再生計画骨子の立て方について記載します。
 
5.B/Sにおける流動資産圧縮ポイントの決定
前回は、固定資産の対応についてでしたが、今回は、より換金性の高い流動資産となります。
流動資産を見る上で重要なことは、大きく2つです。
・在庫について
・短期貸付金や未収金などの短期債権について
 
まず「在庫」についてです。
再生に陥る企業が理解していないことの一つに在庫は現金であるという概念が現場でなされていないことです。
在庫は、当然、企業が先に持ち出しで購入しているものですから、
それが売れて、現金化されないと企業のお金の流れは厳しくなります。
 
実際、債務超過に陥る企業様にお伺いすると、
在庫管理の甘い企業がほとんどです。
倉庫にいくと、すでに1年以上も動いていない、
なかには10年前の在庫なども眠っていることがあります。それも結構な金額です。
また、収益性の低い企業にいくと、バックヤードや在庫スペースが乱雑で、整理されていません。
現場が会社の重要な現金を扱っている認識がないからです。
 
そのため、1年以上にわたって動かない在庫は、一旦、処分する方針をたてます。
損切してでも、一旦、現金化することです。
その上で、在庫管理と在庫の重要性を徹底し、
在庫回転率を重要指標として、見える化します。
また、在庫回転率の悪い商品は、販売をストップしてもらうことも実施します。
現場は、その商品がないと、他が売れないというようなことも言いますが、
それが在庫過多を生んでいる原因です。
そのため、一時期は、思い切った在庫圧縮・取扱商品ラインの圧縮を行う荒療治をすることも計画し、
実行に移します。在庫商売の企業は、これだけで、劇的にキャッシュフローが改善します。
 
次に、「短期債権」です。
営業は、売ったら終わりでなく、現金を回収して初めて営業といわれます。
短期債権を細かく、一つ一つチェックしていくと、
すでに回収できない不良債権が多く混ざっています。
中には、子会社への貸付や社長への貸付金などもあったりします。
これらをどのように回収、または処理していくかを、タイミング含め、しっかり吟味します。
 
また、債権回収期間が長い取引先に関しては、回収期間の交渉も行ってもらうようにします。
当たり前のように思われますが、再生になる企業の多くは、
これらのことができていません。
トップからして、意識が薄いので、現場に至っては、その意味さえ理解していないこともあります。
 
流動資産の圧縮は、短期間で資金繰りを改善させる効果的手段です。
次回も引き続き、再生ステップにおける押さえるべきポイントを明確にしていきます。

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