~デューデリから未来へ向けて~「再生ステップについて」Vol.185

今回は、再生計画骨子の立て方について記載したい。
再生計画を立てる際の大まかな手順は、以下のステップとなる。

 

① 残すべき中核事業の方針決定
② 金融返済含めたC/Fバランス施策の決定
③ ①で決定した事業以外でグループ会社がある場合、その処理方針・方法の決定
④ B/Sにおける遊休固定資産の処理方針の決定
⑤ B/Sにおける流動資産の圧縮ポイントの決定
⑥ P/Lにおける事業別や拠点別などの採算チェックと圧縮方針の決定
⑦ P/Lにおけるムリ・ムダ・ムラのチェックと削減方針決定
⑧ 上記①~⑦を実施スケジュールと数値への落とし込み

 

再生計画において、まず何よりも重要なことは、①の再生の中核となる事業を決定することである。
この大方針なくして、資産や事業の再編、切売を実施すると、後々の再生も実施できず、
結局は、本業自体も処理しないといけない事態に陥ることもある。

 

例えば、ある旅館業の再生案件をお手伝いした時の例を挙げておこう。
この企業は、旅館業以外に不動産事業(賃貸ビルや駐車場)などを実施。
当然、本業の旅館業で活性化すると決定。その本業の旅館は、2カ所の宿泊施設を保有。

 

一つは高級型で稼働率も70%程度とそこそこ。
もう一つは、中価格帯であるが、稼働率は40%程度と低調。
金融機関が進言してきたのが、不動産事業の売却及び稼働率の悪い施設の閉鎖・売却というもの。
特に稼働率の悪い施設は、設備も古く、思い切った投資をかけることができない状況下では、閉める方が得策というもの。

 

これにより、資産圧縮と従業員やコスト削減による収益化するというストーリーだった。
不動産事業からの撤退、売却は、我々も同意するところであったが、後者は違う。
稼働率が悪い施設から撤退や売却すると、一時期は収益が上がる。

 

しかし、同時に収益額というボリュームも減り、結局は、多大な借入金額を返済できなくなる。
そして、その先に待っているのは、本業の売却しかない。
そこで、本業活性化方針に基づき、稼働率の低い館を残すことに決定した。

 

さて、現在、どうなっているかというと、この稼働率が悪かった施設が、現在はドル箱として高稼働率を保っている。
もともと施設力が弱かったこの施設は、思い切って低価格路線に切替、オペレーションも簡素化。
施設系は、稼働率が上がると、固定費はそれほど変わらないため、一気にキャッシュを生み出すこととなる。

 

このように、単純な資産の切売という観点ではなく、残すべきものとそうでないものの方針を、
まずもって明確にすることが、再生の第一歩である。

 

次回は、②以降を解説していきたい。

メールマガジンの一覧へ
このメルマガの配信を希望する
事業承継・M&Aに関するお問合せをする