~デューデリから未来へ向けて~「ヤンキーの虎戦略」Vol.172

今回は、私の古くからのお付き合い先における提携戦略をご紹介したい。
この会社、本業はある県における業種で圧倒的シェア1位を保持し、本業の従業員数は200名を超えている。
これ以外に介護事業の会社やアミューズメント事業会社など合計10社ほどを保持し、正社員は約500名を超える企業群。
地方で目立たないが、コングロマリットを形成している、いわゆる“ヤンキーの虎”といわれるような企業。
※ヤンキーの虎とは、地方経済の中核を担っている元気な経営者を称して呼ぶ。

 

さて、この会社が中核事業である地域一番シェアを持つ企業を切り離し、その株式の半数以上を、同業種の大手企業に売却。
グループトップは、高齢化というとそうではなく、40代という若さ。また、しっかりした後継者もいる。
さらに財務的にも安定しており、収益も確実に出している企業。
その基本的な戦略と決断のポイントは、以下である。

 

本業は、完全地域一番を達成しているが、他のエリアでも、同様に勝敗はある程度決しており、エリア拡大は簡単には望めない。
さらに、デジタル化などの波により、今後、大きな投資をしていく必要にも迫られているが、その投資をしても、投資に見合ったリターンは望めない。また、大手が徐々にであはるが、この企業のテリトリーに進出し始めてきている。
そのような中、トップが決断したのが大手との提携。
結局、複数社と交渉し、そのうちの1社と株式交換方式で、その企業の株式を手に入れ、同時に役員として、その大手企業の経営に参画することに。
実質的には半数以上の株式を手放しているため、M&Aとして、傘下となっている。
これにより、本業の必要な投資を引き出すことや競合からのエリア進出を阻み、雇用を守ることに。
さらに、他の自社企業群は、億単位の投資を実施し、拡大に走るという両面戦略を実現している。

 

これからは、地域一番で安定的に収益を上げている企業であっても、このような事業再編による提携やM&Aを戦略的に実施していく時代となっている。
その社長曰く、「地方における地域密着型産業の多くは、これ以上の成長戦略が見込めなくなっている。
いい企業であっても、M&Aによる事業再編は、加速するだろう。」
船井総合研究所は、地域一番店企業づくりを得意としているが、次の戦略において、M&Aを絡めた事業再編戦略が欠かせなくなってきている。

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