~デューデリから未来へ向けて~「生産性向上と長所伸展・短所是正」Vol.150

生産性を向上させるというのは、現在の日本における大きな課題となっている。

 

先日も三菱東京UFJ銀行が全行員の約30%にあたる社員、9500人分の業務を削減するという記事が、日本経済新聞から出ていた。具体的には、単純業務の多くをデジタル化、IT化することにより、業務を削減。一方で浮いた人材や時間をクリエイティブな仕事に振り分けていくという方向であった。

 

さて、この生産性改善、大手はコストもかけて思い切った施策を実施することができる。比較的多いのが、先の事例にあるように、デジタル化シフトである。また、実際の現場における改善業務に関しては、どちらかというと課題や短所を是正していく方向性感が多い。明確な目標数値があり、そこに到達するために、現状の課題を解決、改善していくというものである。

 

これに対して、小規模零細企業は、そう簡単にいかない。実際にデジタル投資をする余力もないし、できたとしてもそこで浮いた人員を他にまわす余裕もないというのが実態。中小において、多くのトップは、現場の課題など、ある程度見えている場合がほとんど。しかし、それを是正したからといって、劇的に変わらないことも理解しており、悶々としている。

 

中小は、そのため、どちらかというと長所伸展型でいった方が上手くいきやすい。船井総研は、昔からそのスタンスが強い会社であるが、これも中小企業をメインにコンサルティングしているからである。短所は、いったん触らず、会社の長所とトップのしたいことを連携させることにより、戦略を構築する。

 

その際の施策に落とし込んでいくときのポイントは、“絞り込むこと”である。特に中小は、現場にいくつものことを実施させても上手くいかない。明確に方向性と実施することを絞り込んで、そこを徹底させる。その際には、当然、その反面で課題や短所的なところもでてくる。しかし、そこに目をむけるのでなく、ひたすら、一つのことだけを徹底させることが良い。

 

その結果、市場でゆるぎない地位を確立できてきたら、初めて、その内容の改善に入っていくという方が、スピード感もあり、結果として成功しやすいものである。これは、再生の現場でも同じことがいえる。経費削減においては、短所是正が通用するが、それだけでは、結局、縮小均衡の域を出ない。トップラインを伸ばすには、中小ほど長所伸展的発想が必要となる。

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