~デューデリから未来へ向けて~「短期借入金と長期借入金」Vol.131

金融機関の方針、その上の金融庁の方針が変わったことは、何度もこのメルマガで述べている。さて、その中で企業として、知っておいてほしいポイントがある。それが短期と長期の借入金の使い分けである。

 

バブル崩壊以降、企業の貸しはがしと言われた時代が長く続いた。その時の常識は、短期借入金は、できるだけ長期借入金に切り替えておくべきということ。何故なら、短期は1年毎に条件交渉をしなければならず、また、状況が厳しくなれば、真っ先に返さなければならないしろものだからである。

 

しかし、長期は、こちらが繰り上げ返済をするといわない限り、全額返済というようなことはないからである。そのため、この20年は長期借入金が企業貸出しの主流であり、金融機関も短期貸出はあまりしてこなかった流れがある。また、長期借入金に保証協会をつけるという方向性も大きかった。

 

しかし、現在の金融庁は、短期借入金を推奨するようになっている。この短期借入金を上手に資金繰りに組み込むと非常に有利な面がある。しっかりと金融機関と信頼関係を構築する必要があるものの、現在、金融機関は短期借入金を、その企業の資本金に近い形でみてくれる方向性感がある。

 

つまり、確かに1年毎での更新はしなければならないが、極論いうと金利さえしっかり払っていれば、返さなくてもよい資金という見方ができる。実は、バブル崩壊前の金融機関は、短期借入金を説明した内容と同じ感覚でとらえ、貸していた。

 

金融業界では“短コロ”などと呼ばれていた。短期で同じ借入金(金融機関からみれば貸付)をローリングするという意味合いから来ているようだ。その企業に必要な資金繰り分を短期で貸すことにより、金融機関側は、継続的取引ができるだけでなく、常に企業における資金の動きがチェックできるというメリットがある。

 

企業側では、先にも述べたように、極論言うと元本返済はなく、金利を払うのみでいいということである。長期は、ご存知のように必ず毎月、一定の元本を返済していかなければならない。資金繰りに必要な資金も長期で借りると、知らず知らずのうちに毎月の返済金額が増えていき、経営が厳しくなるという状況がでてくる。

 

事業再生になっている企業は、結構、この借入金構造により、追い込まれているところもよく見かける。この借入金の“質”の違いを知った上で、特性を上手に活かした経営が望まれる。

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