~デューデリから未来へ向けて~「再生やアフターM&Aにおける収益改善の肝」Vol.124

事業再生を行う場合やM&Aにおけるバリューアップを行う場合、単純なコストカットによる収益性アップは簡単で誰もが実行できる内容である。しかし、船井総合研究所の真骨頂は、P/L改善であり、利益の最大化を実現することにある。そこで、今回は、再生途上にある企業やアフターM&Aにおけるバリューアップにおける売上向上のヒントを記載する。

 

さて、実際に売上アップを実施するときにポイントとなるのが、「ターゲット選定」とそのターゲットに売るための「商品」である。ターゲット設定では、BtoBであろうが、BtoCであろうが、その詳細設計をどこまでできるかで、売上は変わる。このターゲットセグメンテーションは、2種類に分けられる。それが「デモ」と「サティスファクション」。

 

「デモ」とは、一般的な数的にあらわされるターゲット。年齢、性別、エリア、所得層、企業規模、業種、従業員数、などなど。これにより、大枠のターゲット数やそこにいる競合を見極めることができる。しかしながら、そのターゲットをセグメントしたからといって商品が売れだすということは、まずない。

 

次のサティスファクション。これは、上記でセグメントした顧客層の“顕在化している”ニーズや課題を明確化することにある。ここで顕在化していると記載したが、潜在ニーズに訴えかけるのは、実は非常に難しい。プロダクトイン発想で市場に投入する企業は、よくこの潜在と顕在をとり間違えて、お客様に展開し、失敗している。

 

この部分の分かりやすい具体的話をしよう。例えば、ある整骨院の商品メニュー開発の話。背骨矯正という商品がある。これをそのまま“背骨矯正”とうたっても、お客様には響かないため、販売につながりにくい。この骨盤矯正という商品は、骨盤から背骨の状態を改善させることにより、いろいろな症状を緩和させることができる。

 

そこで、会社員をターゲットにセグメントした場合、背骨矯正を「骨盤矯正」や「猫背矯正」という商品名に変更するたけで、客数は増加する。それは、なぜかというと、情報感度の高い会社員層に対して、メディアで骨盤矯正が、肩こりや腰痛が改善されるといったことがうたわれ、情報としてインプットされているからである(高齢者には難しい)。

 

また、会社員は、実は自分の姿勢を気にしている人が多く、特にスマホが流通してからは、この傾向がひどくなっている。そこで、「猫背矯正」とうたうと、会社員には非常に響くのである。これが、「サティスファクション」というもので、「骨盤矯正」も「猫背矯正」も実は、商品内容は同じ「背骨矯正」である。

 

ここで、もっと明確に「肩こり・腰痛」とうたえばいいのでは、といいますが、医療法上の問題と、また、明確な肩こり層は「マッサージ」に行く傾向が強い。これが「矯正」とつくと、プロの領域という認識も持たせることが消費者にできるため、感度の高い会社員層にウケるのである。

 

このように、同じ商品であったとしても、お客様の明確なニーズや課題に、わかりやすくアプローチすることによって、売上が拡大することは、本当によくあること。逆に言うと、売れていない企業は、「プロダクトアウト」的に、こちら側の考えを押し付けいる場合が非常に多い。

 

再生企業などは、別に商品が悪いわけじゃない場合がほとんど。それよりも売り方の問題が大きく、短期活性化の場合、このターゲットセグメントから入る場合が非常に多い。

 

全ての経営は、現状を的確に認識(デューデリジェンス)し、未来に向けた“今の変革”からはじまる。

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