~デューデリから未来へ向けて~「教育産業ビジネスデューデリジェンスにおけるツボ」Vol.119

昨年から今年にかけて、急激に増えたビジネスデューデリジェンス依頼業種で目立っているのが、教育産業。この数か月だけをみれば、前回お伝えした医療・介護系よりも相談案件が多くなっている。

 

教育産業は、大きく子供向けと大人向けに分かいる。大人向けは習い事(カルチャースクール)系と資格習得系に大別される。もう一つが子供向け市場。こちらは、大人同様に習い事系と勉強系に分かれる。習い事系の代表格は、スイミングや公文、音楽教室など。学習系は塾や予備校を中心としたものになる。

 

ちなみに、子供向け学習系のマーケットは、子供の数が減っているわりに、市場規模自体は、1兆円弱と安定しており、そこそこ大きな規模を誇っている。この塾業界は、実は全国区の企業が出にくい体質にある。その理由は、都道府県単位で使う教科書や受験方式、進学方式、教育方針がかなり違い、その基本となる商品が統一しにくいところにある。

 

これと違い予備校は、全国区の対応が可能となる。予備校は、大学受験を目的としているため、全国共通。そのため、基本となる商品も統一できる。そのため、東進衛星予備校をはじめとする全国対応企業も出てくるという違いがある。

 

さて、この塾業界、1990年代からこの業界は黄金期を迎え、株式公開企業を多数輩出することとなる。その後、エリアごとで勝ち組企業が大体決定し、今は、その勝者同志の陣取り合戦になっている。ただし、先にも記載したように、都道府県がかわると学習塾としての商品も変更しなくてはならず、簡単に相手の土壌に進出することができない。

 

そこで、現在は、規模の大小関わらず、近隣都道府県のM&Aを実施することが、一つの成長戦略となっている。また、この業界は、商品は授業であり、生徒・父母への対応であるため、外からみても、そのよし悪しがわからない。船井総研は1990年のはじめころから、この業界の専門的コンサルティングを実施しており、業界に詳しいコンサルタントを抱えている。

 

そこで、そこの企業の情報管理体制、教育体制、マニュアル、実際の対応の流れ、合格率、成績伸長率、退塾率、学年ごとの生徒のバラつき、学校別のシェアなど、様々なデータと実体を見て、企業の課題と伸びしろを短期間で判断することができている。

 

しかし、この教育産業における動きは本当に激しい。規模が少々小さくても、M&Aにおける買い手はすぐについてしまうこと、さらに創業者の高齢化(この業界に限ったことではないが)により、更に案件が増えそうである。

 

全ての経営は、現状を的確に認識(デューデリジェンス)し、未来に向けた“今の変革”からはじまる。

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