~デューデリから未来へ向けて~「マイナス金利での融資合戦」Vol.106

ある再生をご支援させていただいている企業様の融資において、先日、以下のような提案があった。

 

その企業様は、売上が40億円ほどで、借入金はそれと同等の40億円ほどがある企業様。数年前に通常の返済が難しくなり、メインバンクに相談したところ、DDS(デッド・デッド・スワップ)を利用した借入金返済の組み換えを行うことに。その後、計画通りの返済を実施しており、収益も連続して過去最高益を上げるほどの状況にまでなってきている。また、現在は、元本も年間2億円を返済しており、順調といえる。

 

そのため、DDSを約半額実施しており、その分を資本分とみなした場合、ほぼ通常先に近いところまで戻っている。この企業様に新たに数億円の投資が必要な内容が発生、それをメインバンクに相談すると、新しい融資はできないというそっけない返答。当然、準メイン以下の金融機関も同じ答え。これは、まともな答えであり、DDSを実施した場合、実質的にリスケと同様になるため、新たな借入金がしにくいという状況におかれる。

 

その投資は、どうしても必要であり、既存金融機関に返済金の猶予などを交渉。1年ほど元本返済をストップしてもらえれば、手元資金での投資が実施できることもわかっている。そんななか、ある信用金庫様の支店長がこられて、その企業の借入金全てをその信用金庫様に借り換えしないかというご提案がきた。当然DDSなどを実施していることもお話しているが、非常に先方は前向き。

 

また、新しい投資分も一緒に融資してくれるということもあり、急遽、検討にはいることになった。ちなみに、そこが提示してきている金利は、当然ながら一般よりも高い。40億円を借入し、金利が3%であれば、金利だけで支払いが1.2億円という大きな金額となる。

 

今、信用金庫様は、非常に厳しい立場に追いこまれつつある。都銀や地銀からの激しい利子合戦により、信用金庫では対応しきれなくなってきている。もう一方の伸び白であった住宅ローンも限界にきつつある。しかしながら、お金は貸さないと事業収入が入ってこないため、信用金庫も必死である。そのため、事業融資において、高(中)金利・高(中)リスクをとりにいくようになっている。そうでもしなければ、勝てないからである。

 

この企業様、信用金庫様からみれば正常先として貸し出せるそうで、しかも50億円程度までなら、一気に貸せるとのこと。なんともすごい話である。今、金融機関は上記に挙げたように、大きな転機にはいりつつある。逆に企業の観点からみると、交渉がしやすい土壌となってきており、是非、金融機関の動向から、目を離さないでほしいし、常に情報は取り続けておいてほしい。

 

全ての経営は、現状を的確に認識(デューデリジェンス)し、未来に向けた“今の変革”からはじまる。

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