~デューデリから未来へ向けて~「ジャパニーズドリーム」Vol.102

M&Aによるビジネスデューデリジェンス(BDD)の相談依頼が、ほぼ毎週入ってくる。

 

それだけ市場が活発化しているのだろう。また、数ヶ月に一度は、同じ案件と思われるものの依頼が複数のファンドなどからくることもある。その場合は、先約優先で、はじめにご依頼いただいた企業様を優先している。

 

さて、先日も、ある同じサービス業企業のBDDを、2社からいただいたが、1社は早々に入札から撤退したため、もう1社のDDに参画。この企業の経営者は、40代そこそこと結構若い。なぜ、こうなるかというと、当然ながら、売却側は、より高く買ってくれるところ、より条件のよいところへ考える。

 

そのため、複数のファンドに同時に公開し、入札的な方式にするところが増加しているからである。一昔前は、値段もそうであるが、従業員の幸せや企業の成長を考えてというものを前面に出していたようであるが、最近は少し違う。

 

これまで、経営者が大きな金額を手に入れる、いわゆるジャパニーズドリームには、株式公開が数少ない手法であった。しかし、これはものすごくハードルが高い。なぜなら、東証関連による株式公開企業数は3,529社(2016.9.16現在)。日本の企業数(個人事業主含む)は総務省によると約410万社強となっているが、リアルに稼動しているのは250万社程度といわれている。

 

そのため公開できる確率は0.14%。だいたい800~1千社に1社程度。宝くじに当る確率は1000万分の1。ただし、平均約25枚を一度に購買するようなので、実際には、40万分の1程度。まず、宝くじを狙うよりも、自分の努力で10億円単位を狙えるほうが良いだろう。

 

しかし、実際には株式公開はかなり狭き門。これに対して、企業M&Aは、極論いうとどのような会社でも可能である。ただし、億単位での売却となるとそう簡単ではないが、株式公開よりは、かなり確率が高い。そこで、最近、若手経営者による企業売却が増えている。

 

伸びそうな業態を早い段階で開発し、少し無理をしながらも早い段階で展開を実施。ある一定の規模になった段階で、業界の時流も見極めながら、売却する。これに異論のある方も多いと思う。しかし、一方で、より経営力や資金力のある企業の傘下に入ったほうが、従業員も幸せであるという考え方もある。

 

また、経営者の特性としても、立上は得意であるが、それを企業として大きく伸ばす能力は、別物である場合が多い。後継者育成がしっかりできていればいいが、なかなか難しいというのも現状。今後、国内市場は伸びない中、M&Aが企業成長戦略の一つにならざるを得ない状況下、ジャパニーズドリームを体現する人は、より増加していくことだろう。

 

全ての経営は、現状を的確に認識(デューデリジェンス)し、未来に向けた“今の変革”からはじまる。

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