~デューデリから未来へ向けて~「業界の見方(業界デューデリ)」Vol.47

船井総合研究所は、業種別コンサルティングの機能が極めて強い。そのため、業界を把握、その企業を把握するポイントがある。何よりも重要なことは、業界のビジネスモデル構造を把握することであり、その中で、ビジネスモデル上、キーとなる(=売上に最も影響をもつ)数値を探し出すことにある。

 

通常の売上や利益というよりも、そこを改善できれば、経営が上向くというポイントを押さえることがコンサルタントとして、何よりも重要だからである。

 

例えば、医療や介護における施設モデルを見てみよう。

 

ここでいう施設系とは、ベッドを持っていることをさしている。まず、ベッドや席があるということは、そこが基本的なボトルネックとなりやすい。つまり、

 

ベッド数×稼働率×単価

 

が基本構成要素。実は、これはホテルや旅館などと同じ構造。さらに、医療や介護は自分で勝手に単価を決められないため、重要視すべきは「稼働率」ということになる。

 

それとともに、もう1点、注目すべき資料が、この稼働率を上げていく場合のオペレーション。特に医療や介護は、法律で何人の患者に看護士や介護士、ヘルパーなどが何人と決まっている。そのため、稼働率を上げようと思うと、必然的に人の数(及び質)が必要となる。

 

医療の場合、実は、最大のボトルネックが、このオペレーション人員数。現在、極端な人員不足に陥っており、さらに離職率も非常に高い。離職率が高いとうことは、いくつかの課題がついてまわる。つまり、質が安定しないということ、さらに採用コストが跳ね上がるということ。

 

しかもこの業界では、患者や利用者への質の担保ということを、現場は強く言ってくるため、法定人数がクリアしていても、ある一定以上の患者や利用者をみようとしなくなり、断るということが普通に起こる。そのため、稼働率も上がらず、採算ベースに乗らないということが多く発生する。しかし、そこを注意すると「それならこんなところ辞める」ということを平気で言ってくることもある。

 

このため、医療・介護では、この稼働率とオペレーション人員数というこの2つを、どのように持っていくかが最大のポイントとなる。単純に人員が確保できれば、医業収入も伸びるということも普通に起こる業界である。

 

全ての経営は、現状を的確に認識(デューデリジェンス)し、未来に向けた“今の変革”からはじまる。

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