~デューデリから未来へ向けて~「再生事業の要点」Vol.16

再生事業に陥る会社は、もともと業績の良い会社であるとともに、金融機関やファンドなどの支援があってはじめて成り立つ。金融機関が助けようという場合、規模が一定以上なければ、まず支援しようとは考えない。

 

影響がすくなければ、損切りしてしまい、その会社を廃業してもらっても問題ない。また、ファンドにいたっては、基本、会社を買ったときよりも価値を高めて、また、別のところに株式を売却して益を出すということが基本モデルにあるため、ある一定の規模がある上に価値を高めることができる可能性があるところにしかお金を出さない。

 

このように再生の遡上に乗ってくる会社は、規模(従業員は少なくとも100名以上)があり、やり方によって十分に収益体質になれる可能性のあるところとなる。

 

それでは、なぜ、再生に陥るのであろうか。経験上から一言で表すと「トップの資質」といえよう。船井幸雄が「会社はトップで99%決まる」がそのまま当てはまる。この再生に陥るトップのタイプは、大きく上げると2つ。

 

・財務バランスを考えずに攻めまくる攻撃型トップ

・周りにやさしくおっとりした性格の寛容型トップ

 

前者は創業者に多く、後者は一族経営の2代目、3代目に多い。攻撃型トップはツボにはまるとその力を遺憾なく発揮し、急激に組織を拡大することができるが、マネジメントや財務意識が弱く、ある一定の規模になると利益がでない体質に陥る可能性が高い。

 

また、寛容型トップは、その企業が位置する業界環境が良いと、組織も上手く回り問題なく進むのであるが、一旦、外部環境が悪くなると、思い切った決断ができず、まわりにずるずる引っ張られて厳しくなっていく会社が多いようである。

 

どちらにしても、その会社の再生が軌道に乗るかどうかは、まずは、トップの意識改革にかかっている。特に再生に陥る会社のトップにおける意識は、「会社はつぶれないもの」となぜか思い込んでおり「自分(及び自社)のどこが悪いの?」といった感覚の持ち主が多い。

 

まず、そのトップの意識が変わらないと、結局、組織の体質も変わらず、再生における管理下から抜け出すことはできない。逆に、トップの意識が変わったところは、変革スピードが速い。そして、早い段階で、見事に再生になる場合がほとんど。

 

ファンドの場合は、それを理解しているため、まず、トップをすげ替える(たいていはファンドの方が社長を兼任する)ことからはじめる。経営層が代わらない場合は、再生計画を立てながら、その過程でトップの意識をかえていただくということを実施する。

 

その時のポイントは、特に創業の思い、会社の歴史にさかのぼって、自社の成功要因、強み、そして不調におちいった原因を理解することからはじめる。こうならないためにも、年に一度はトップ自身が自らを振り返るということを実施してみては?

 

全ての経営は、現状を的確に認識(デューデリジェンス)し、未来に向けた“今の変革”からはじまる。

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