小さなM&Aの価格査定チェックポイント

小規模のM&Aでは、売り手と買い手がオーナー経営者である場合が多く、どちらも即断即決で処理したいという志向性が強いです。そのため、価格に対する合意形成を早い時期におこなうことがポイントといえます。

価格査定の基準となるのは、純資産と営業利益となります。

 

純資産の査定については、小さなチェックポイントが多々あります。

当初からそこを織り込んで議論しておけば問題ないのですが、デューデリ後に問題点として浮かび上がってくると、ラストステージでもういちど価格協議が必要になる場合もあります。

「あとあと論点になりそうなポイントは最初から潰しておく」というのが重要といえます。

 

よくあるケースとしては

・回収不能な売掛や貸付金の有無 破たん懸念のある取引先等他社への貸付、退職した従業員への貸付など

・家主の経営状況から回収不能と見込まれる敷金、保証金

・換金価値のない資産 価値のない有価証券、電話加入権など

・資産価値のない不動産(売値がつかない、借り手がつかないことが見込まれている)

・対象会社の重要な資産を親会社が所有し無償貸与している(一枚のBSで価値査定できない)

 

これらは、当初よりおおよそヒアリングベースで把握可能なものばかりですし、仮に隠していてもあとから検証されることなので、最初からテーブルに乗せておいたほうがよいことばかりです。

 

ようは、BS上に資産としてカウントされていても、実質的には資産とはいえないものがある場合には、最初からそれらを除いた「修正BS」を早期に作成して議論してゆけばよいということです。

あとあと問題点になりそうな内容をあらかじめ潰しておくことができて、合意形成から契約までがスムーズに運べると思います。

 

ちょっとした工夫ですが、スタートアップ時点でひと手間かけることで、全体感がとらえやすくなります。

売り手側の準備として、このような対応をしておけば成約に至る道のりをスムーズにできます。

 

株式会社船井総合研究所

M&Aコンサルティング事業室

山本 匡(やまもと ただし)

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